長い長い夜・集中治療室にて

回復中です。

日ごと、というより

週ごとにステージが上がる感覚。

先週まで髪をとかすことができなかったのに

今はできる...

気分は「ショーシャンクの空に」。
(のポスター)


今日は我が家のねこやん

(現在、去勢手術のためエリザベスカラー装着中)
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術後初めて、うん...うんととをして

飼い主、よかったよかったと喜ぶも

ねこやん、カラーがジャマをして

うんととが見えないため

猫砂をうんととにうまくかけられず。

結果、うんととを探すときに

カラーがスコップ代わりになってしまい

顔も手足も盛大なうんとと祭り姿で

トイレからランディングする。


ギャアアア←飼い主


抱っこをして

ウェットティッシュで拭おうとするも

慌てている上に不器用なため

うんととド道連れ。


そんなことも

笑えるくらい 回復してます。


閑話休題。


手術後のICUでのお話。


麻酔が覚めた途端に

上半身が跳ね起きる程の吐き気。

「裸足のゲン」の政ニさんの様な。


そして

視界が歪む程の痛み。

「痛い」で意識が塗りつぶされる。


麻酔科の先生に

「今から痛み止めの座薬入れますよー。

今、一番痛いのはどこですかー?」

と聞かれ

息絶え絶えに

「頭の中が痛いです」

と答えたら

座薬を入れようとしていた先生が飛び退く気配。


「お腹の中が痛いって聞こえたよー」

と笑っていらしたが

全然笑えない。


「頭は手術したから痛いのはしょうがないんだよね」

と言われ

じゃあ聞くなよ

と思う。


人間、余裕がなくなると地金が露わになりますなあ...

先生方、本当に申し訳ない...


ここからが痛みとの戦い。


痛み止めの座薬と点滴を

交互に入れても

とにかく痛い。

痛くてベッドで暴れる始末。


ベッドの柵を蹴っていたので
(後でナースさんから聞いたらひどい有り様だったらしい)

血栓防止用のフットポンプを

固定された記憶。

本当に申し訳ない...


戦争映画の野戦病院で

負傷した兵士があまりの痛みで

「殺してくれ」と言う気持ちが

わかった気がする。
↑痛み止めが効いてこれくらいの思考はできるようになる。


長い長い夜。


消灯してから

ナースさんが(同い年だったそうだ)

「今日はここ、一柳さんしかいないから

音楽、小さい音でかけようか?

有線で色んなのがいっぱいあるよ。

洋楽?

わかった。

何年代がいい?

2000年代ね。

OK。

痛みが紛れるといいんだけど」


....見栄を張った。

本当は80〜90年代だったくせに。
↑何に対してか不明の発作的見栄

とにかく

ナースさんの心配りがありがたくて

今、思い出しても泣けてくる...

そして

音楽の効用は凄い。

本当に痛みが紛れた。

守備範囲外のヒップホップばかりだったが...YO



吐き気止めの点滴をしているにも関わらず

明け方、盛大にリバース。

髪の毛とマスクが

吐瀉物で大変なことになる。



朝、7時頃?

脳外科チームの女医さん(美人)がやって来て

ナースさんから事情を聞いて

疲れて

汚れて

ボロ雑巾のようになっている

ワタクシの肩にそっと手を当ててくれる。

あの手の温もり

忘れない。


麻酔が血管に入らなくて大変だったそうだ。

がんばった。


先生が。
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トリアージという言葉の恐怖

都内の3病院を「コロナ専門病院」にするという

タイトルのニュース

同志から教えていただいて

ネットで内容を確認して

本当に文字通り足が震えた。


髄膜腫のフォローアップはもちろんだけども

多発性硬化症は定期的にタイサブリを点滴しないと

薬の力で抑制している分、

リバウンドで再発しやすくなってしまう。


血の気が引く。



幸い、予約していた診療はしてもらえるそうだ。

胸を撫で下ろすが...



ほっとして

はっとする。



余裕がなくなると

自分のことしか見えなくなる

考えられなくなる

そういう人間性は

もうきっと変えられないのかもしれないが
(強力な啓蒙セミナーに通えばもしくは...
あるいは宗教...)


例えば

自分が濃厚接触者になった時

感染した相手に

自分のことを言うより先に

まず 体調はどうなのか

相手のことを気遣う礼儀は

弁えたい...

そうでありたい...


自分のことしか考えられない自分に気づくと

人生で何回も同じこと繰り返してるけど

毎度毎度

本当に恥ずかしい...


この恥ずかしさに素直に向き合えるようになったのは

歳を取ったからなのか...

成長であればよいが←希望的観測


髄膜腫の手術の後、入った集中治療室、

ベッドで暴れる程痛かった。

...痛かったなあ...(思い出してる)


気力、体力ともに使い果たして

口元に吐瀉物をこびりつかせて

ボロ雑巾のようになっていたワタクシに

青森の温泉の話をしてくださったナースさん。


いろいろ削がれると

人の話って本当に沁みる。

癒しになるんだなあ。


あの時のナースさんや

ドクター達は大丈夫だろうか。


政治を批判するよりも

今は

お世話になったナースさん達の

顔と名前を思い浮かべて

強くエールを送ることに

気力を使おう。


ありがとうございます。

どうか どうか

1日の終わりに僅かでも

安らぎがありますように。

祈っています。

開頭手術当日

もうすぐ術後一ヶ月になるんだなあ



カレンダーを見てしみじみ。


今現在のワタクシは

ミランダ・ジュライの

「最初の悪い男」を読み

作中で生まれてきた赤ん坊の名前が

ジャックで

ちょうど、その前に

ラース・フォン・トリアーの

「ハウス・ジャック・ビルト」を見ていて

おお これは何かのサインだと

ウカれるほどに

頭がオメデタモードに戻りつつあります。


さて いよいよ髄膜腫摘出手術当日。

手術は朝の9時から。


朝一でナースさんがやってきて

腕に生理的食塩水(確か)を点滴。

ココ ココ

と 後で他の点滴が入ることも知らず

右腕のタイサブリ用の鉄板安パイ血管をオススメして

一発でルート確保。

手術着に着替えて

T字おパンツをはき

集中治療室用バッグの持ち物を

ナースさんと一緒に確認して
(歯磨きセットはマストらしい。
口内ケアは感染症を防ぐために必要なのかな)


8:45 点滴棒をカラカラ引きながら

ナースさんと一緒に手術室へ歩いて行く。

手術室の中 初めて入ってビックリ。

工場のように天井が高くて広くて奥行もある。

何かが ゴオンゴオンと鳴ってる。


同じ手術着を着た女性が横切って

ああ そうか

脳外科の手術だけじゃないんだよなあ

と 当たり前のことに驚く。


カーテンで仕切られた小さな空間に座って

名前を呼ばれるまで待つ。

付き添いの麻酔科の方だったか?

緊張させないようにという心遣いが伝わって来て

緊張していないようにみせなければ!

と 緊張する。


名前を呼ばれて

いざ 手術室へ。


手術台に横たわったら

ライトがまぶしくて

うわっ まぶしっ

と思う間もなく

麻酔科のセンセイ達がわっとかぶさってきて

ライトの光が遮られる。

背中に褥瘡防ぐため?のゼリー塗ったり

体のあちこちに心電図(多分)や

血圧計(恐らく)やら取りつけて

あっという間に

口にマスクを当てられて

「ふわふわしてきますよ~」

と言われたけれど 全然ふわふわしないので

「ふわふわしないです」

と言ったら 数秒後に

「今度はどうですか?」

と訊かれ

そのときは 本当に意識がふわふわしてきたので

「あ!ふわふわしてきました」←オドロキの声

と言ったところで

プツン

暗転。


「一柳さーん!」

と呼ぶ声で覚醒したら

天井が動いていて(集中治療室へ移動中)

「手術終わりましたよー」

と叫ぶ声。

身内が自分を呼ぶ声もしたので

答えようとしたけれど

そんな意識がぐにゃっと歪むほど

とにかく左側頭部が痛い!!!

人工呼吸器が入っていたため

説明されて知ってはいたけれど

本当に声が出ない。

パニック起こしながら

とにかく かすれ声で

痛い!!

と叫んだ。


集中治療室に入ったら

MSの主治医が来てくれていて

「一柳さん!」と呼んでくれる。


痛いのと 怖いのと 安心とで

涙がボロボロ出て 先生の名前を呼ぶ。


先生は何かひとことふたこと

他の方と言葉を交わされた後

去って行かれたのだけれど


ものすごく 怖くて 悲しくて

先生、置いて行かないで!

と 叫びたかった…

叫んだかも。

なぜに あんなに怖かったんだろう。


後で聞いたところ

7時間と言われていた手術は6時間ちょっとで終わったらしく

集中治療室に入ったのは午後3時半だったらしい。


腫瘍は脳のシルビウス溝という溝?から

入り込んで(何を?コワイ!)

摘出して 摘出痕をレーザーで焼いたそうだ。


ここから 本当の戦いが始まります。
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髄膜腫手術前日・入院&説明

「神奈川県知事、緊急性の低い手術については延期を要請」

というニュースを見て

これは医療崩壊を食い止めるというより

もう 医療崩壊の始まりだよな…

と 背筋が寒くなる。

自分が手術をしたばかりだからなおさら。


今日は 側頭部が痛みます。

左側頭筋をがっつり切開しとるので

その部分が日によってひどく痛む。

眼鏡のつるが凶器になる。


記憶がまだフレッシュなうちに

髄膜腫手術について書きとどめます。


ワタクシは手術前日に入院しました。

朝10時に入院受付を済ませ

血液検査や

レントゲン撮影やらして

お部屋へ案内されると

嬉しいことに窓側のベッド!


昨夜(昨夜だけじゃないが)

鏡を見ながら 無傷の頭皮を見て泣き

頭皮マッサージをしながら

もうできないかもしれないな と泣き

そんな自分を俯瞰して 情けなさに泣き


それらの暗い気持ちが

さあっと塗り替えられるくらい

青空が窓いっぱいに広がって気持ちよかった。

富士山も見える。


前回の脳血管造影検査の入院のときは

廊下側のベッドで

気持ちが転がり落ちるように暗くなっていたので。


太陽の光って本当に大事なんだな。


主治医から呼び出され 手術の詳しい説明を受ける。

それによると

・腫瘍が静脈に近いので、そこが今回の手術の一番のポイント

・チタンプレートとチタンネジで切開した頭蓋骨を固定する

・顔面神経が傷つく可能性

・左側頭部が陥没する可能性

・感染症の可能性

・筋膜を切るので、術後は口が開きにくい
(これは後で思い知ることになる)



もう 恐怖が限界を通り越えて

I had enoughの状態なので

他人事のようにうんうんうなずくしかできない。


そこから 入れ替わり立ち代わり

麻酔科のセンセイやら

ナースさんやらが

指示や説明に来て

ICU用の浴衣型寝間着(む?浴衣は寝間着だよな)

をレンタルしに行ったり

今宵が最後ヨ!と

風呂にドボンと入り


バタバタとして

あっという間に夜になりました。


夜ご飯はバラちらし寿司だった。

なんだか何とも言えない気持ちになって

のどがつまったようになってしまって

とても食べられないと思ったが

今夜9時以降は禁食になると言われていたので
(ちなみに飲料は朝6時から禁止)

ヘビになったつもりで

飲み下す。



ワタクシが食べたくなくても

ワタクシの体が

腹が減っては戦はできぬ!

と言うだろうと思って。


持参した眠剤をもらって
(入院中は眠剤は病院が管理)

もやもやと考え事をして

携帯を見ては

あと8時間…

あと6時間…

とふるえていたら

朝になっていました。

あの晩のバラちらし寿司の味と

明け方の数時間は

生涯忘れないだろうと思われる。


手術は朝の9時からです。



術後の画像を見たら

こんな感じで切開されてました。
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新年&退院しました

あけましておめでとうございます。

おかげさまで

髄膜腫摘出手術が無事に終わり

年末に退院できました。


お声をかけてくださったみなさま

本当にありがとうございました。



入院中は、血圧が160/100

と 爆上がりで

降圧剤の点滴&服薬を処方されましたが

全く下がらず。


そのおかしなテンションのおかげか

入院中は手術後の痛みも痛み止めで

コントロールでき
(手術直後のICUは地獄でしたが)

生来の楽天家気質がフルスロットルで稼働。

♪が出ているところで


まさか 退院した途端に

血圧が120/70と

通常運転に戻るとともに

凄まじい頭痛と吐き気に見舞われるとは

想像だにせず。



処方されたカロナールもロキソニンも

全く効かず。


六角レンチをこめかみに

グリグリ ねじ込まれるような痛み。

痛くて涙が出るなんて

アボネックスの副作用以来。

ハローアゲイン。


吐き気があるので

食欲もデナイ…


両親からは

「食べ物が大事」「とにかく食べろ」

と電話やLINEが来るものの

「食」の文字面を見るだけで

えづく始末。


現在は カロナールが効くようになり
(ロキソニンはナゼか効きが悪い)

吐き気も治まり


今日は 家の掃除もできました。

1コ できることが増えると

ものすごく安心するとともに

気持ちが前向きになる。

ミカヅキモ並みの単細胞だから。


主治医によるとワタクシの腫瘍は

2015年に出現したらしいのですが

当時のことを思うと

多分

ミランダ・ジュライの言うところの

「ヒステリー球」というヤツなんじゃないか



勝手に推測。


取れてヨカッタ。



髄膜腫手術体験記は

また書いていこうと思います。

どなたかのお役に立てますように。


本日の落書きは

入院中、比較的元気なときに描いた

本を読む女の子。

以前、電車の中で見かけた

本を読んでいた女の子の横顔が

あんまりにキレイで脳内の永久凍土に保存。
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